鳩打峠
甲斐常葉駅を過ぎ0.8kmくらいで、右に分岐する県道411号へ入る。そのまま県道を登って行くと鳩打隧道があり、隧道の入口付近から鳩打峠へ径が登っているとのことである。411号に入って身延線を渡り約0.3kmの、道が左カーブのあたりから、左斜面をジグザグの径が登っていた(写真)。畑仕事の径のようでもあるが、登ってみると深く掘れた径が稜線を登っていて(写真)、鳩打峠への旧道だろうと、急坂を15分ほど自転車を押し上げる。木々の間から鳩打峠らしい鞍部が見えたが、登るにつれ鞍部のほうが低くなってしまった。植林帯に入り、やや傾斜が緩くなると、径はY字路となっていた。左は引き続き稜線を登って行くが、右は斜面を鳩打峠方向へ下っていた。右の径を進と、やや細いがきれいな路面で、脚を着きながらも乗車可能、0.2kmほどで鳩打峠へ到着(写真)。峠へは常葉側から山径が登ってきていて、矢印標識がこの山径と自分が下ってきた山径方向を指していた。
一色方向への径もあるだろうと稜線上を探していると、常葉側からの山径よりも少し北側から 微かな踏み跡がつづらで下っているように見えた(写真)。つづらは2往復くらいで消えていたが、そのまま斜面を北へ進むと、深く掘れた径があった(写真)。すぐ下に県道も見え距離は短いが、これが旧道のようだ。そのまま径を辿るように下ったが、倒木が多く乗れなかった。最後は竹ヤブをかき分けて県道へ、鳩打隧道から0.1〜0.2km下った辺りだった(写真)。さらに一色方面への旧道を探したが見当たらず、そのまま県道を一色へ下った。
(鳩打峠の下りで猟師に会ったが、その人の話では、自分が辿った登りの径は醍醐山へ通じている径で、昔は醍醐山へ開拓の人が住んでいて、山中に家もあったとのこと。また、下りに辿った径は確かに鳩打峠の旧道とのこと。)
地蔵沢峠と勝坂峠、地蔵原峠
一色から舗装路を和平集落へ緩く登り、中坂峠(芝山峠)への入口を探すが見つからないので、一色から和平への舗装路をそのまま登ること約20分、和平から2.5kmほどでY字路に出た(写真)。右は市之瀬から登ってくる道、直進は勝坂へ登る道で、このY字路を地蔵沢峠と呼ぶらしい。そのまま直進して勝坂へ。急坂だが5分も登ると、勝坂峠(勝ン坂峠)へ到着。JR身延線の下部隧道の上を越えるこの峠の上には、勝坂集落があり西側の展望が美しかった。平松方面への道の分岐に石の仏さんがある他、少し先の東側には石塔や石段があった(写真)。
勝坂峠から大道へ下る途中から、大石への舗装路をそのまま大石方面へ下れば地蔵原峠(大石トンネルの真上)だが、大道から登るため、一旦 大道へ下った(といっても勝坂峠から1.5kmだが・・・)。大道集落の外れから、地蔵原峠へ。大石トンネルへの県道405号を登って行き、途中で大石集落への分岐をへ入って急坂の舗装路を登ると、稜線上でT字路となっていた。右は大石集落へ、左に少し下ると地蔵原峠へ到着(写真)。峠からは大石トンネルの上田原側へ舗装路が下っていて、少し離れたところにお地蔵さんがポツンとたっていた。地蔵原峠の大道側は畑になっていて、旧道らしいものは見当たらず、立入も難しいので旧道探しは断念した。小休止の後、県道405号を下田原方面へ下り、中坂峠を目指すことにした。
芝山峠(中坂峠)くずれ
山梨県内の峠について書かれた文献によれば、下田原の深町集落から南東にある一色集落へ越えるを中坂峠と呼び、国土地理院の地形図に中坂峠と示された峠は芝山峠と呼ばれているらしい。県道405号の下田原深町というバス停のあたりから深町の集落へ。集落の奥から、細い谷筋を山径が延びている。山径の入口付近(写真)は石段が付けられ、古い峠道の雰囲気もある。沢に沿ってしっかりとした径を辿って行くが(写真)、自転車を押して5分ほど歩いていると、沢を渡って右に踏み跡が分岐しているようだ。本当の中沢峠への径かもしれない。この分岐を過ぎると沢が分かれているが、ここで径は消滅してしまった。別れた沢に挟まれた稜線に沿って、ヤブをかき分けて尾根を登ってみるが、径らしいものは見当たらなかった。沢の分岐から10mほど登ったあたりで、稜線に向かって左側(北側)の斜面を無理やり進むと、しっかり踏まれたつづらがあった(沢の分岐の付近は径が崩れているようだが、本来の径は、沢を渡らずに分岐した左側(北側)の沢に沿って進んだ後、沢を渡って、斜面を登ってくるようだ)。再び見つけた径は倒木が多く、自転車を押したり担いだりして進んでいると(写真)、何かの拍子にブレーキレバーが根元から折れてしまった(写真)。激しくぶつけたわけでもないのに、疲労破壊だろうか?めったにないトラブルだが、これといった対処方法もないのでそのまま進む。やがて径は竹ヤブの中へ消えていってしまうが、ごく薄い踏跡が竹ヤブの外周を沿うように登っていた。と、その時 2〜3頭の鹿が、すぐ目の前を走り抜けて行った。人間のものではないかもしれない踏跡を辿って稜線に登ると、少し離れたあたりに、竹ヤブから掘れた径が登ってきていた(写真)。稜線上に踏跡はあるものの、芝山峠の位置がよくわからない。稜線を少し北へ歩くと鞍部らしい所に着いたが(写真)、深町側は谷で径らしいものは見当たらなかった。和平側には一部、番線が張られていたが、やはり径らしいものは見当たらなかった。
再び稜線に沿って南下してみるが、自分の位置も特定できない状態。仕方なく、和平側へ適当に斜面を下ってみると、壊れかけた作業小屋があり、何となく踏跡もあるように見えた。踏跡を辿って下ると、深く掘れた山径に突き当たった。まだ時間もあるので、そのまま下らずに山径を登ってみると(写真)、さっき確認した鞍部らしいあたりに向けて登っていた。「しめた!」と思って山径を登るが、鞍部の手前で径もろとも谷が大きく崩れていた。鞍部に張ってあった番線は、通行禁止のためだろうか?進める状態ではないので、登ってきた山径を戻って下り始める。大して標高差はないのですぐに和平の集落へ降りてきたが、集落手前に古い石塔が立っていた(写真)。風化が進んでいて文字は読み取れなかったが、この径が古い峠道の可能性は高い(でも、芝山峠ではないようだ。)。畑の中を通って下りてきた民家はコンビニのマークがあったが(写真)、たぶんコンビニではないと思う。
大平峠
大平峠は和平から常葉へ越える峠で、国土地理院の地形図では実線で描かれている。最初、商店跡のような建物の横のコンクリート路(写真)を登り始めた。、途中 草地の中に石仏もあり(写真)、ヤブに埋もれてはいたが旧道のような深く掘れた径もあったので、まさか間違ってはいないだろうと思っていたが、コンクリート路は墓地で行き止まりとなってしまった。標高差では、峠までの半分くらい登ったろうか・・・。仕方なく引き返し、少し北側のコンクリート路(写真)を急登する。しばらく登ると未舗装になるが(写真)、距離も短いので何とか押さずに乗って登れた。
峠にはこれといって何もないが、写真を撮って(写真)すぐに下り始めた。下りはすぐに舗装になり、日向第二踏切で身延線を渡ってR300へ。朝下ってきた道を、道の駅まで戻った。(今、考えると、最初に引き返したコンクリート路に沿った径は、大平峠の旧道のような気もする。)
走行距離29.9km(道の駅しもべ9:40→県道411号へ入る9:55→鳩打峠10:20〜25→和平10:55〜11:20→地蔵沢峠11:35→勝坂峠11:40〜45→地蔵原峠12:05〜12:30→深町12:35→稜線に出る13:30→鞍部13:35〜55→和平14:30〜15:00→大平峠15:15→道の駅しもべ15:45)
相棒;MTB(26×1.9)