仙北街道は、秋田と岩手を結ぶ古道で、1000mを超す柏峠を最高点とする険しい山径である。
最近では、インターネットでも紹介され、古道巡礼(高桑信一著)という書籍にも掲載されている。
山サイ研のTK氏とともに、四輪2台で周回し、手倉集落から石淵ダムまでを辿った。
石渕ダムで前泊し、1台を残して四輪で大森トンネルを越え、東成瀬村の手倉へ。6:35スタート。
手倉から県境尾根近くまでは、実線林道で登る。分岐する林道のうち、TK氏の意見で最も南の
実線林道へ入ることにした。林道分岐には、食べ頃のアケビが・・・。各人1個づつ食す。
最も南の林道を辿ったつもりが、水源地で行き止まり。しばらく周囲を探したが、径はなく引き返す。
アケビの分岐まで戻って、最もはっきりした林道を登る。さらに1hr以上かけて街道入口に到着。
(TK氏は、林道は乗って登らず、押し上げる派。ペースは遅い。)
いよいよ仙北街道の山径に踏み込む。はっきりした径だが、幅は狭い。押して進む。
急斜面のロープ場を、自転車を押して登ると、十里峠の石碑があった。林道終点から5分足らず。
十里峠からも、細い山径が続く。ぬかるんでいる所もあり、あまり乗れない。TK氏ものんびり押し上げ。
古い街道らしく、狭いが径が深く掘れた箇所も多い。自転車を押し上げていても気持ち良い。
荒れた山径も想定していたが、思ったより手入れの行き届いた山径で、ヤブこぎはなさそうだ。
林道終点から 約30分で丈の倉に到着。ずっと雑木林の中だったが、ここはずいぶん見晴らしが利く。
丈の倉直下も何とか乗って下ったが、TK氏は「怖い」と押していた(でも落ちたら、タダですまない)。
「引沼道」の前後に、ぬかるみや沢があるが、丈の倉から柏峠までも、6割以上乗れる径が続いた。
10:50、仙北街道の最高点である柏峠に到着。おやつを食べながらゆっくり登ってくるTK氏を待つ。
柏峠からは、気持ちの良い尾根径が続く。見晴らしの良い個所では周囲の山々も見渡せた。
柏峠から栗畑までは何とか80%くらい乗って下ったが、乗るのがもったいないくらい美しい径が続く。
栗畑以後は、径が細くて急になり、中山小屋までは50%くらいは押して下った。
中山小屋を過ぎると、つづらや急勾配が増え、小出川まで下る。標高差は200mくらいだろうか?
川に沿った草深い径を抜けると、小出川に出た。林道終点から3hr、予想より時間がかかっている。
TK氏とともに、小出川を渡る。水量が多い時は、渡れないそうだが、今日は水かさは少なかった。
小出の越所で昼食休憩。一段高い所にテントを張った一団が・・・。キノコ採りとのことで、マイタケ汁を
ごちそうになった。 小出の越所からは、支流の栃川に沿った沢径が続く。
何度も渡渉を重ね、沢を登る。さらに支流のツナギ沢へは、ピークを押し上げた後、急降下。
栃川落合の石碑から、ツナギ沢に沿って45分ほど沢道を登ると、ツナギ沢の石碑があった。ここから
小さな沢を2〜3渡ると、ようやく街道は沢を離れ、急登のマタギ坂になる。
マタギ坂は、少しヤブっぽく、深く掘れた急坂で登りづらかった。径に水が流れている所もあった。
マタギ坂を登り詰めると、緩坂になり、乗れる個所もあった。大胡桃山の手前の分岐は、楽そうな
右の径をとると、山頂を迂回する巻き道だった。大胡桃山の南をぐんぐん乗れた。
大胡桃山の東で、山頂からの径と合流。TK氏は体力の限界に近く、大胡桃山への登山は断念。
大胡桃山東の合流地点からは、ブナ林の素晴らしい下り。距離は短いが、乗車率は90%くらい。
16時前に大寒沢の林道分岐に到着。日没まで1hrあまり。小胡桃山への径はあきらめ、林道へ。
林道までの山径下りは、思ったより険しく、急坂部分も多かった。最後の500mくらいは乗れた。
ようやく大寒沢林道に出た。遅れてきたTK氏を待って、林道を下る。大寒沢橋まで4km余り。
ようやく大寒沢橋へ到着。大寒沢橋の横に、コンクリート製の橋脚が建っている。森林軌道跡?
前川沿いには、荒涼とした風景が広がる。胆沢ダムで沈むため、立ち退いたのか?元からそうなのか?
未舗装車道は、石淵ダム湖南側の猿岩隧道へ。車道は隧道手前で湾曲するが、ダム湖内に
橋脚の跡が・・・。長い猿岩隧道の存在も不自然に思っていたが、やはり森林軌道跡の道のようだ。
猿岩隧道を抜けると、すぐに石淵ダム。この軌道跡の道も隧道も、胆沢ダムに沈んでしまうのだろう。
相棒;MTB(ブルー)(26×1.9)
走行距離 約31.7km
手倉6:35→アケビの分岐7:10〜8:10→林道終点9:25〜35→丈の倉10:10〜15→柏峠10:50→小出越所12:30〜13:05→栃川落合13:45→ツナギ沢の碑14:30〜35→大胡桃山西側の分岐15:30→大寒沢林道に出る16:10〜20→石淵ダム17:10