郡山から東北自動車道を北上して大和I.C.で県道へ、石巻へ入り新北上大橋北側の駐車場に四輪を停めた。初日は、雄勝半島にある釜谷峠、名振峠、大浜峠、荒峠、尾ノ崎峠を周回することにした。
R398を南下して入釜谷の集落を過ぎ、新北上大橋から2.7kmほどでR398から旧車道が分岐する。入口には通行禁止の看板があるが、車止めの様子などから四輪用と判断し、旧車道へ入ってみた。荒れているものの全舗装、勾配のきついのも最初だけなので、自転車で軽快に登れた。
遠くに釜谷トンネルが望める。その上の鞍部が釜谷峠だろう。旧車道沿いの斜面は盛んに伐採されていて痛々しいが、その分、北上川方面の展望がきいた。
途中、崩落や倒木もあったが、入口から約30分で峠に到着。少しヤブっぽい中、旧河北町の看板が立っていた。峠から少し雄勝方面に下った辺りは、かなりヤブが進出していたが、かろうじて自転車に乗れる程度。
その後 何度か倒木をくぐったり、崩落個所を押したりして、実線林道の分岐する谷まで下りてゲートを抜けた。この時、ポケットに入れていた登米の1/5万地形図を落としているのに気付いた。大須の1/2.5万図は落としていないし、釜谷峠を越え返すのも大変なので、そのまま雄勝へ下った。
朝ちらりと見た記憶を頼りに、R398から県道238へ入る。まったく地図を持たずに走るのは、初めて。次に越える名振峠の入口すら判らない。県道に入って3km弱の分岐に「名振」の標識が立っていて助かった。緩い舗装路を20分ほど登ってピークへ到着。特に展望もきかないので、そのまま名振へ下る。
名振からは大須の地図の範囲内、安心して大浜峠へ。名振や船越の港を眼下に眺め、波の音を聞きながら大浜峠へ到着。峠は船越から大浜へ越える道と、名振から大須への県道238が交差している。
大浜峠から大須方面へ県道238を登り、約1kmでピークに到着(現在の地図では、ここが荒峠と記されている)。旧峠を越えるため、いったん荒集落へ下った。
地形図の破線路が登っているあたりに、細い舗装路が急勾配で登っている。20T×24Tでも辛い登りだが、砂防ダムの脇で舗装が切れ、すぐに終点。青いプレハブ小屋が立っていて、右側に細い踏跡が続いている。
プレハブ小屋脇の踏跡を進むと、電灯線(?)の巡視路も兼ねているようで、踏跡に沿って電柱が立っていた。踏跡は、いったん電線から離れて左手の沢に沿って植林帯の中を進む。
程なく沢が二股に分かれ、上を見上げると、10mくらい高いところに新しい祠が祀ってある。自転車を担いで登ってみたが、踏跡は祠の前でおしまい。行き止まりだったので、再び自転車を担いで沢まで下りた。よく探すと、二股の右側の沢の少し高い斜面に踏跡があった。すこしヤブっぽくなってきたが自転車を押して登っていく。
踏跡は、再び沢沿いとなり、電灯線と合流。沢筋を登っていくが、上流になるほど径は荒れ、沢だか径だか判らない部分も多かった。地形図の破線路は、谷筋ではなく緩い尾根を蛇行しながら登って行くように描かれている。辿っている谷筋の径は、単なる電灯線の巡視路なのかもしれない。稜線がみえるようになったあたりで、踏跡すら判らなくなったが、よく探すと右側の斜面を径が1~2度巻いて登っていた。
自転車を押し上げると、すぐに稜線上の舗装路へ出た。道路を挟んで反対側に、道が続いている。少しヤブっぽいが、道幅は1m以上あるようだ。
入口の茂みを抜けると、0.4kmほど自転車に乗って快適に下れたが、峠の西にある鞍部のあたりから、急にヤブがひどくなった。
径ははっきりしているのだが、倒木とヤブで自転車を押したり担いだりで下っていく。さらに竹ヤブが出現し、押すのも一苦労。
すぐ下に集落が見えているが、径の真ん中まで竹が生えていて、自転車を押すのも一苦労だったが、距離も標高差も小さい峠なので、峠から30分足らずで船越小学校の向かいに出てきた。
船越小学校の前の道は、どうやら大浜峠の旧車道のような雰囲気なので、再び大浜峠へ登ってみた。急勾配だったが、交通量もなく船越湾を背にぐいぐい登って10分で大浜峠。さっき通った道を名振方面へ引き返した。
名振まで来たものの、困ったことに地図がないので、尾ノ崎峠の入口もルートも全く判らない。普通ならあきらめて引き返すところだが、時刻は1時前なので時間の余裕は2~3時間。小浜にある山径を幾つか探り、一番奥の道へ入ると、秋葉大権現が祀られている。運良く山から地元の方が下ってきたので道を尋ねると、尾ノ崎峠はこの道だがヤブがひどくて行けないと言われた。
地図もないし、途中から引き返すつもりで踏み込むことにした。秋葉大権現を右に見て、しっかりした山径を押し上げる。次第に山径は細くなり、勾配も急になった。この状況は峠径ではないので、すぐ上の尾根まで登ったら引き返そうと、尾根まで自転車を押し上げた。尾根に上がると、左側から幅広の踏跡が登ってきていた。どうやら途中で径を見失っていたようだ。
ヤブっぽい径を辿って15分くらい自転車を押して進むと、急に笹ヤブが現れた。径は続いているが、一面笹に覆われている。ヤブの高さは約2m、自転車を押して強行突破。径を見失わないように進む。前輪のみ持ち上げて、後輪を転がすように押すと、比較的楽に進めた。約15分で笹ヤブを抜けた。
笹ヤブを抜けると勾配がきつくなり、踏跡も薄くなってきた。すぐそこに見える稜線まで踏跡を外さないように自転車を押し上げ、何とか稜線に到着。小浜から1時間を要した。(後日、地形図で確認したところ、地形図では、峠径は稜線手前で北に進路を変え、南側から稜線へ取り付くようだ。谷に沿って約100m南の鞍部へ登ってしまったようだ。)
稜線からは長面湾もちらりと見えるが、木が繁ってあまり展望は利かない。西側には踏跡が見当たらないが、少し探すと稜線に沿って北に踏跡が下っている。自転車を押して進むと、次第に踏跡は広くなり、広場に到着。雰囲気から察すると、どうやらここが尾ノ崎ではないだろうか・・・。そのまま稜線に沿って、踏跡を下る。
踏跡は道幅は広く、おそらく尾ノ崎峠の径に間違いないだろう。ヤブや倒木、ガレた箇所が多く、ほとんど乗れない。自転車を担ぐことも多い。しばらく下ると遠くに長面湾が見える。径の状態が良く乗れる箇所もあったが、がけ崩れで崩壊した箇所もあった。
ようやく林道と交差し、自転車を押してガレガレの峠径を下った。
林道と交差した後は、浸水か何かで土砂が一面に溜まっているようで、途中で径は消滅してしまい(見失ってしまい?)、南側の作業道へ脱出、すぐに長面湾沿いの作業道に出た。長面湾に沿って走り、北上川の河川敷を走って、新北上大橋北側に戻った。
新北上大橋8:30→釜谷峠入口8;40→釜谷峠9:05→雄勝9:20→名振峠9:55→大浜峠10:25→荒峠(車道)10:30→荒10:40~50→荒峠11:30~35→船越12:00~05→大浜峠12:15→名振・小浜12:30~55→尾ノ崎峠13:50~14:05→林道交差14:55→長面湾沿い15:15→新北上大橋15:53
走行距離;44.42km
相棒;MTB(26×1.9)